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2025.11.28

「最近、愛犬の息づかいが荒い気がする」
「ちょっと動いただけで苦しそうだけど、年のせいかな?」
「心臓の持病があるけど肺は関係ないよね?」
このような疑問や不安をお持ちの飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
年齢のせいだと思っていた愛犬の変化が、じつは「肺高血圧症」という心臓や肺に関わる病気のサインであることがあります。
肺高血圧症は進行すると命にかかわる病気ですが、初期症状はとてもわかりにくいのが特徴です。
今回は、犬の肺高血圧症について初期症状に注目してわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、肺高血圧の初期症状に気づくきっかけにしてください。
肺高血圧症とは、肺の血管の中を流れる血圧(肺動脈圧)が異常に高くなってしまう病気です。
肺には全身から戻ってきた血液が送られてきます。その通り道である肺動脈に異常があると、血液がうまく流れずに心臓に強い負担がかかるということです。
この状態が続くと、やがて
などの命の危険がある症状につながることがあります。
肺高血圧症は、僧帽弁閉鎖不全症やフィラリア症などの他の疾患に続発する「二次性肺高血圧症」として現れるケースがほとんどです。
肺高血圧症の厄介なところは、「初期症状が非常にわかりにくい」ことです。
飼い主様が「いつもと違うかも?」と気づけるポイントを知っておくことが早期発見につながります。
よく見られる初期症状としては
などです。
これらのサインは、ほかの心臓病や呼吸器疾患でも見られるものです。
しかし、複数が重なっている場合や、以前より明らかに頻度が増えた場合は注意が必要です。
病気かどうかわからないという場合も様子を見ずに、まずは動物病院で相談してみましょう。

初期段階では上記のような軽い変化にとどまりますが、進行すると以下のような重い症状が現れます。
重度になると、突然死のリスクもある危険な病気です。
だからこそ、初期のうちに気づいてあげることが何より重要ということですね。
肺高血圧症の診断には、身体検査や血液検査だけでは不十分です。
以下のような画像診断を組み合わせて、慎重に評価していきます。
とくに心エコーは、肺高血圧症の重症度を把握するために欠かせない検査です。
はっきりとした症状がなくても定期検診などで心臓の検査をしてもらうようにすると安心ですね。
肺高血圧症の初期症状はわかりにくいというのは前述のとおりです。
では、肺高血圧症をなるべく初期の段階で見つけるためにできることはあるのでしょうか?
肺高血圧症は、見た目の症状があまり出ない病気です。だからこそ、健康診断や心臓の定期検査がとても重要になります。
心雑音の有無、心拡大の進行などを定期的に動物病院でチェックすることで、「異常かもしれない」が「確信」に変わることがあります。
などの検診を受けるようにしましょう。
犬の様子で気になることがあったときは、すぐに病院で伝えられるように、メモや動画を残しておくのもおすすめです。
病院では「そのとき」の症状が出ていないことも多いので、ご家庭での観察記録がとても貴重になります。

肺高血圧症の初期症状はとてもささいな変化から始まります。
「散歩を嫌がるようになった」「少しの運動で息が上がる」
そんな日常の小さな違和感こそが、病気のサインかもしれません。
当院では、心臓や肺の病気についても丁寧に検査・診断を行い、それぞれの子に合った治療や生活のアドバイスをご提案しています。
「ちょっと気になるな」と思ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
早めの気づきが、愛犬の命を守る力になります。
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