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2025.08.01
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニに噛まれることで犬や猫、そして人にも感染するウイルス感染症として知られてきましたが、近年マダニからだけではなく感染した犬猫から人に感染することも分かってきました。
これまでSFTSを発症した猫の看病をされていた飼い主様が感染し、亡くなられた、という痛ましい事例が報告されています。さらに今年(2025年)には、三重県で入院中の猫の治療にあたっていた獣医師がSFTSに感染し、その後亡くなるという大変ショッキングな出来事も起こっています。ご本人はマダニに噛まれた痕はなく、猫からの感染によるものではないかと考えられています。
SFTS(エスエフティーエス)は、SFTSウイルスによる感染症のことです。マダニがこのウイルスを運びます。日本国内では、西日本を中心に報告されていますが、最近では東日本でも人の患者が確認された地域が出てきています。また、患者が報告されていない地域でもSFTSを保有するマダニが見つかっているため、SFTS患者が報告されていない地域でも注意してください!!
マダニに噛まれることで感染します。マダニは草むらや公園などに潜んでいます。お散歩など、お外で過ごす時間があるワンちゃんネコちゃんは特に要注意です!
さらに感染した犬や猫のよだれ、血液などから人にうつる可能性も分かってきました。
人が感染すると、発熱、嘔吐や下痢といった消化器症状、出血症状がみられます。致死率は10~30%と言われており、特に高齢者では重篤化しやすいです。犬猫が感染すると、次のような症状がみられます。
現在日本では犬、猫、チーターがSFTSを発症した動物として報告されています2)。発症した場合、人と動物では似たような症状がみられます。犬は人よりも軽症ですが、猫は重篤化しやすく、なんと致死率は6割を超えるともいわれています1)
残念ながらワクチンや特効薬はなく、治療は症状を和らげる対症療法です。だからこそ、なによりも“感染しない”ように予防することが、私たちにできることです!
駆虫薬で定期的に予防するのが最も確実な対策です!
市販のものだと効果が不十分なことがあるため、動物病院で販売されているものを使用するようにしてください。マダニだけでなく他の寄生虫も一緒に予防できるタイプの薬など、薬には色々な種類があるので一緒に合うものを選びましょう。 完全室内飼いのネコちゃんであっても、私たちの衣類に付着したマダニが家の中へ持ち込まれるケースやベランダ・窓からの侵入など、さまざま経路での感染が考えられるので、外に出ないネコちゃんにもしっかりと予防してあげてください!
また動物だけでなく、私たち人間にも危険が及ぶ可能性がありますので、外出時にはマダニに噛まれないように防虫剤などで普段からしっかりと対策しましょう。
マダニが寄生しやすいのは以下のような部位です。普段からスキンシップやブラッシングのときに体に付いていないか見てあげてくださいね。
もしも寄生されているのを見つけたら、絶対に取らないでそのまま動物病院へ連れてきてください!無理にピンセットなどで取ってしまうと、マダニの口器が皮膚に残ってしまい、そこから病原体が侵入する可能性があります。
ワンちゃんネコちゃんのマダニ対策は、ワンちゃんネコちゃんを守ると同時に、ご家族(動物病院のスタッフも含む)の身を多くの感染症から守ることにも繋がるため、是非予防してあげてくださいね。
駆虫薬には色々な種類があるため、気になる方は相談にきてくださいね。
参考文献
VETS LINEより引用