2022.11.17
去勢手術
去勢手術の目的
去勢手術は望まない妊娠を防ぐだけでなく、発情期のストレスの軽減や将来の病気の予防ができる手術です。特に猫は発情行動(マーキングや夜鳴き)が一緒に生活をしていく上で大変になることもありますのでお互いのストレス軽減のために手術が効果的です。
当院では子供を産ませる予定がないのであれば実施することをお勧めしています。
去勢手術実績の時期
犬種や成長の程度にもよりますが、生後6ヶ月を超えると実施できます。
何歳になっても手術をすることで予防できる病気がたくさんありますが、マーキングやマウンティングなどの性的行動は若齢期に手術をすることで予防効果が高まります。
去勢手術をすることで予防できる病気
- 前立腺肥大などの前立腺疾患(※前立腺癌の予防はできません)
- 精巣腫瘍
- 肛門周囲腺腫
- 会陰ヘルニア など
去勢手術をおこなうリスク
全身麻酔をかける手術ですので、100%安全なものだとは言えません。
ただ、しっかり手術前に準備や検査をおこなうことでリスクを最小限に出来るように心掛けています。一般的に若くて元気な子であれば99.9%問題無い手術だと言われています。
当院での去勢手術の流れ
- 当院は完全予約制です。事前に当院にご来院いただくかお電話で手術日の予約をとってください。
- 手術前日の夜から絶食が必要です。水は来院直前まで与えていても構いません。
- 手術当日は8時50分にご来院ください。獣医師の診察と手術の説明後、動物をお預かりし飼主様は一度帰宅していただきます。
- 午前中に手術前の検査(血液検査・画像検査)を実施します。検査結果次第では、手術が中止・延期になる場合があります。
- 12時00分〜16時30分までが手術時間ですので、この間のどこかで手術を実施します。当日の診療状況や他の手術との兼ね合いにより開始時間が決まります。
- 手術時間は猫で20分、犬で40分ほどです。
- 午後の診察時間内にお迎えにきていただきます。
- 帰宅後は普段の半分ほどの食事を与えて構いません。散歩も短時間であれば構いません。
- 翌日からは基本的には普段の生活をしていただいで大丈夫ですが手術部位を舐めないように注意して下さい。また、過度な運動やシャンプーは控えてください。
- 手術した日の5~7日後に傷のチェックにご来院ください。猫の場合はここで問題無ければ終了です。
- 犬の場合、手術した日から10~14日後に抜糸して傷がしっかり治っていれば無事終了です。
猫の去勢手術の流れ
- 全身麻酔をかけて仰向けで手術を実施します。
- 被毛やゴミが手術部位に入らないように剃毛し消毒します。
- 剃毛部以外はキレイな布で覆います。
- 精巣直上の皮膚を切開後、膜に包まれている精巣を取り出します。
- 膜を切開して精巣につながる靭帯を分離したあと、精巣を引っ張り出します。
- 精巣につながる血管を電気メスで処理することで精巣を切除することが可能になります。
- 左右の精巣を摘出後、出血が問題無いか確認します。
- 切開した皮膚を医療用の接着剤で貼り付けて終了です。
- 手術後は傷を保護する必要は無く、エリザベスカラーもつけなくて大丈夫です。
犬の去勢手術の流れ
- 全身麻酔をかけて仰向けで手術を実施します。
- 被毛やゴミが手術部位に入らないように剃毛し消毒します。
- 剃毛部以外はキレイな布で覆います。
- 精巣と陰茎の間の皮膚を切開後、膜に包まれている精巣を取り出します。
- 膜を切開して精巣につながる靭帯を分離したあと、精巣を引っ張り出します。
- 精巣につながる血管を超音波メスで処理することで精巣を切除することが可能になります。
- 左右の精巣を摘出後、出血が問題無いか確認します。
- 切開した皮膚や皮下脂肪を時間が経つと溶けてなくなる糸で縫合します。
- 最後に皮膚の表面を縫合すると終了です。
- 傷口を舐めてしまわないようにテープを貼ります。
- 手術部を保護するために術後服を着せて、終了です。
去勢手術後の注意事項
去勢手術後は男性ホルモンが分泌されなくなることにより基礎代謝量が低下します。また、食欲は増す傾向にあるので手術前と同じ食事を与えていると肥満になってしまいます。手術後は、去勢手術した子用の食事や体重管理を目的にした食事を選び、しっかりと体重管理をしてください。毎月自宅で体重を測定し、記録しておくことが体重の変化に気が付きやすくオススメです。