2024.03.01

つむら通信

2024年春夏号(体型をチェックしよう)

当院からのお知らせ

ついに2024年4月1日から当院はほぼ年中無休の病院になります!

今まで対応できていなかった時間も診療時間にすることで地域の皆さまがより安心して動物と生活できる環境を届けたいと思っています。今後も当院は皆さまに愛され続ける【日本一ファンの多い動物病院】を目指し進んでいきますのでよろしくお願いいたします。

 

 

診療日の変更に伴い、獣医師の出勤曜日も変更になります。詳しくは4月以降のホームページをご覧ください。

 

春の予防・健診キャンペーンのお知らせ

今年もフィラリア症予防の時期が近づいてきました。フィラリア検査のときには、健康診断として血液検査を一緒にすることをおすすめします‼ワンちゃんだけでなくネコちゃんも、お得な春の健診を是非受けて下さいね。

元気なうちから全身の健康データを蓄積しましょう

異常が見つからなかった場合でも、健康な時のデータを蓄積することが大切です。集めたデータに変化が出てきたら、いち早く精密検査を行い病気の早期発見につなげたり、食生活や生活環境の見直しを始めることができます。 0歳から年に1回の健康診断を受けることをお勧めします。

当院の予防表(犬猫共通・フィラリア検査は犬のみ)

フィラリアの予防期間は5月~12月の8 ヶ月間で、フィラリア検査は3~5月にしましょう!月に1回忘れず投薬してくださいね! 当院ではフィラリア・ノミ・マダニが1錠で予防できるお薬をおすすめしています。ちなみに、ノミとマダニは年中予防が安心です

★:必ずしも予防の必要はありませんが、予防をしておくと安心です。

 

 

猫でも要注意!フィラリア症は犬の病気だと思っていませんか?

フィラリア症とは犬や猫、フェレットなどの多くの哺乳動物に、犬糸状虫(フィラリア)と呼ばれる寄生虫が心臓やその近くの血管に寄生することで、動物に色々な症状を引き起こす病気であり、このフィラリアは蚊によって運ばれてきます。フィラリアは主にイヌ科動物に寄生して生活するため、猫への感染は起こりにくいですが、全く感染しないというのではありません。もし、猫がフィラリアに感染すると咳や呼吸困難を引き起こしたり、場合によっては突然死します。そもそも猫のフィラリア症は検査や診断が難しい病気なので感染しないようにしっかり予防することが大切です。

 

ちなみにフィラリアに感染していた猫の3分の1近くが完全室内飼育だったとの報告があるので外に出ないから予防しなくていいということはありません。

 

[ 特集 ]体型をチェックしよう!

「太っていても元気だから大丈夫」「ぽっちゃりだと可愛い」と思っている方もいるかもしれません。しかし、肥満になると病気になりやすかったり、寿命が短くなったりとよくないことばかりです。飼い主さんが思う適正体型・体重と医学的な適正体型・体重とでは差がとても大きいように感じます。犬は適正体重を15%、猫は適正体重を20%オーバーすると肥満だと認定されます。つまり、適正体重が4㎏であれば犬なら4.6kg、猫なら4.8kgになっただけで肥満であると言えます。人でいえば40kgの人が46~48kgになるのと同じです。犬や猫では人と比べて体重が少ないので、わずかな変化のように見えても実は大きな変化です!今回の特集で適正な体型・体重のチェックの仕方を知り、愛犬・愛猫と健康で楽しい毎日を過ごしましょう!

 

人用の体重計での体重の測り方

①自分の体重を計る
②愛犬・愛猫を抱っこして体重を計る
③2から1の体重を引く
④引いた体重がその子の体重です

BCS(ボディ・コンディション・スコア)とは?

BCSとは、体重だけでは適正な体型かを評価することが難しいため、見た目と触った感覚から9段階で今の体型をみる方法です。BCSはおうちでもチェックができるので、日常的にチェックして適正な体型・体重管理に努めましょう!次のページから犬猫別でチェックポイントが書いてある表を載せているのでぜひ愛犬・愛猫のBCSをチェックしてみましょう。

※適正体型とは、痩せすぎず、太りすぎず、程よく筋肉や脂肪がついている体型のこと

 

ご自身での判断が難しい場合は、当院でチェックしますのでお気軽にご来院ください!

 

 

 

 

太らないために注意すること

1.フードの給与量に気を付けましょう

給与表は今の体重ではなく理想体重でみましょう。理想体重とはその子の本来の体重です。 ※給与量はフードの種類によって異なります ※下記の給与量は参考値です *200cc計量カップを使用した場合のカップ数を示しています。

 

 

給与表はあくまで目安です。体質や運動量によってもフード量を変えないといけないので、 給与表通りの量を与えていても体重が増えるようなら量を減らしましょう。

2.避妊・去勢手術後は太りやすくなる

避妊・去勢手術をした犬猫は、していない犬猫と比べて体重過多のリスクは約2倍!ホルモンバランスの変化で繁殖のために必要な性ホルモンが少なくなるので、1日に必要なエネルギー量が20%程減少します。そのため、避妊・去勢前と同じフード量をあげていると太りやすくなってしまいます。フード量を10~20%減らすか、避妊・去勢後用フードに変えましょう。

2.避妊・去勢手術後は太りやすくなる

少しのおやつが、実はビッグカロリーに!!

 

 

ダイエット失敗あるある例と対処法

case 1 家族が自由におやつをあげてしまう!

家族みんなでルールをつくろう
例えば1日または1週間分のおやつやフードをあらかじめタッパーなどに小分けにしておくといいです。決まった量以上を与えないように家族みんなでルールを決めましょう

case 2 多頭飼育で他の子のご飯も食べちゃう!

部屋を分けたり、食事を与える場所を工夫する
食事をする部屋を分けたり猫であれば、高いところに登れる子だけはキャットタワーの上で食事を与えたりといった工夫ができます。

case 3 お腹が空いて何度もおねだりする

一回分のご飯を少なくし回数を増やす
一日量を複数回に分けて与え、空腹時間を減らしてあげることで、おねだりの回数が少なくなってきます。おねだりをされたからと言って、決めた量以上のおやつやご飯はあげないようにしましょう。

case 4 減量用のフードにしていない

減量用のフードにしよう
減量用フードには食物繊維などが豊富に入っていたり、フードの形状を変えていたりすることで普通のフードより満腹感を得やすい作りになっているのでストレスなく減量が出来ます。

case 5 せっかく痩せていたのにリバウンドした

主食を代謝系フードに変えてみる
カロリーオフのダイエットでは、リバウンドしてしまうこともあります。主食のフードを変更し、代謝アップが狙えるものを使用する方法もあります。

case 6 全然痩せない

人によって与えている一回量が違いませんか?
人によって与えるフードの量に違いがないか確認しましょう。また、家族全員が少しずつ余分におやつを与えているなど、小さなことの積み重ねでカロリーオーバーになったりします。

case 7 思うように体重が増えない

フードの量や種類の見直しを
フードの量が少なかったり種類や質が合わず、体に必要な栄養素やカロリーの摂取が不十分の可能性があるのでフードの量やフードの種類を見直してみてください。特に老齢の子は注意!

太っていても病気じゃないから大丈夫!?

太っていても見た目は元気に過ごしているかもしれませんが、「肥満は万病のもと」と言われるように、太っていることでさまざまな病気にかかりやすくなります。

 

 

※体重の減らしすぎにも要注意!※ 体重が一度に多く減るのは嬉しいことですが、理想の減量ペースは1週間ごとに現体重の0.5~2%程度です。急激なダイエットでは体に負担がかかりますので、2週間に1回程度の頻度で動物病院やお家で体重測定できると安心です。

痩せているから健康!?

高齢だから痩せていて当たり前、食欲もあるし痩せていても大丈夫と思うかもしれませんが、そこには病気が隠れているかもしれません。BCS1~2は健康な状態とは考えにくいです。特に1年以内に急激に痩せてきたときは病気が関係していることがあります。

おわりに

人でも同じですが自己流のダイエットは危険なこともあります。また、維持することもなかなか難しいと思います。食事の量をただ減らすだけではいけない、カロリー計算が難しい、急激なダイエットは大きなストレスになる、激しい運動をすることで心臓や関節に負担をかける、必要な栄養が十分摂取できない、その子に合った方法じゃないと効果が出ないなどいろいろな問題がでることもありますので、獣医師や看護師と相談しながらすすめていくと無理なくダイエットができると思います。理想の体重が維持できることで以前より散歩が楽しそう、お出迎えしてくれるようになった、年齢より若く見られるようになった、表情が豊かになったなど良いことが沢山あります。大切な愛犬・愛猫の為にも一緒に体重管理を頑張りましょう!